食材のいろいろな調理方法

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料理とひとことで言っても、その方法はさまざまです。

素材の加工から、加工した素材の調理、調理したものの仕上げ。

それぞれの工程に様々な方法が存在します。

ここではそんな様々な調理法を一般的なものから解説したいと思います。

素材の料理方法

切る

言わずと知れた、食材を切るという方法ですね。料理をするときにはこの作業が当たり前のようにありますし、皆さんも料理と言ってまず思いつくのがこれなんじゃないでしょうか。

なぜ食材を切らなければなあらないのかと言えば、もちろん食べやすくするためにということもありますが、ほかにもいくつか理由があります。

・食べられない部分を取り除く

まぁ、これは当たり前ですよね。ヘタや皮、芽や筋などを取り除いて食材を美味しく食べられる状態にすることができます。

特に解説は必要ないとは思いますが、意外と分からないこととして、どこまでが食べられない部分なのか分からない、ことが多いということです。初めて触る食材などはそういったことが多いと思います。ただ不味いから食べられないだけならいいですが、毒があって食べられないという場合もありますから、どこを除けばいいのか分からないときは、誰かに聞くか、しっかり調べてからトライした方がいいと思います。

・火の通り加減を調節する。

世の中に様々な食材がある中で、その全てが、加熱したときに同じように加工できるわけではありません。すぐに火が通るものもあれば、なかなか火が通らないものもあります。でもだからと言って全部別々に料理していたらいくら時間があっても足りません。できるだけ一つの鍋で料理できるようにする工夫が、切るという作業です。火の通りやすいものは大きめに、通りにくいものは小さめに切ることで、同時に加熱しても最後にはどちらもちょうどよく火が通っている状態にできます。それに形として切らずとも「隠し包丁」という火の通りを良くする技法も存在します。食材に切れ目を入れておくことで火が通りやすくする方法です。

ちなみに、ちょっと考え方として難しいのは、必ずしも体積を小さくした方が火が通りやすいわけではない、ということです。例えば1㎝角に切ったさいの目切りの人参と、同じ体積でも0,1㎜くらいの薄さで切った人参と比べれば、薄く切った人参の方が早く火が通ります。

どの状態でどんな切り方をするとどう火が入るのか、この方程式を理解するのには、それなりの経験と知識が必要になる高度なテクニックだということですね。

ちなみに切り方の種類に関しては「食材の切り方」で解説しておりますので、よかったら読んでみてください。

・料理を飾る

切り方には、飾り切りという、見た目を美しくする技法があります。直接料理の味には関係ありませんが、そういった飾りがあることで料理が鮮やかになります。

そもそも料理を構成する要素には、味、香り、食感、そして見た目があります。目で見て楽しませることも、料理の使命の一つというわけですから、飾るというのも立派な料理の一つです。

そのことを象徴するように、飾り切りの技法は世界各国に存在します。難しいので一朝一夕に習得できるものではないですが、興味や時間があるのなら、覚えてみるのもありですね。

・煮崩れを防ぐ

意外と知らなかったり忘れてたりするかもしれませんが、切り方によって、煮た時に食材が崩れてしまうのを防ぐことも出来ます。

煮た時に食材が崩れるのは、角があるからです。その角をなくす「面取り」という作業によって、煮崩れを防ぐことができるんですね。

・食感や、時には味も切り方で変わる

食材の形によって、食べた時の食感が違うというのは、だれしも経験していることだと思います。また気付いていないかもしれませんが、味も切り方で変わっているというのも忘れてはいけません。薄切りであったり、面の多い切り方であったり、ちょっとした切り方の違いで味も変わることがあるということを覚えておきましょうね。

叩く

急に原始的な調理法になったな、と思わないでくださいね。

叩くというのも立派な調理法の一つです。

叩くというのは「壊す」という作業になります。食材を壊すことで得られるメリットは意外と多いものです。

  1. 味をしみこみやすくする。
  2. 柔らかくする
  3. 火の通りを良くする

野菜をたたくこともありますし、肉をたたくこともあります。その方法と目的が合致しているのなら、バンバン叩きましょう!(笑)

すりおろす

切るという作業の仲間ではありますが、目的が違うので別項目としました。

食材をすりおろすことによって、まず食材が細かくなります。これにより食べやすくなるという効果が生まれ、それを目的にすりおろすこともあるでしょう。

もう一つは香りを立たせるということです。たたくと同様に食材を壊す作業でもあるすりおろしは、香りのある食材のポテンシャルを一気に引き上げる料理方法です。ニンニクやショウガ、フルーツの皮や香辛料、すりおろすことによって得られる香りは随一と言っても過言ではありません。

マリネ

マリネと言うとおかずの一つに思われがちですが、もともとマリネとは素材の料理法の一つで、味を付けたり香りを付けたりだけではなく、食感を変える、長期保存させる、様々な用途でマリネという料理方法は重宝されます。

一言でマリネと言ってもその方法は幅広く、酢などの調味料に漬けた魚介をそのまま食べるのも「マリネ」ですし、唐揚げにする鶏肉を醤油に漬け込むのもようするに「マリネ」なのです。

料理にうまくマリネを活用すれば、料理の幅が上がること間違いなしだし、マリネ出来ると料理上手、なんて思ってもらえるかもしれませんよ?

調理するときの料理方法

皆さんが知っている方法から、あまり知られていない方法まで、いくつか並べてみたいと思います。

焼く

皆さんが一番ポピュラーだと思える料理方法の一つですよね。生で食べられない食材は焼くに越したことはありません。

でも、ひとことで焼くと言ってもいろいろな焼き方があるのをご存知ですか?

日本語にするとすべて「焼く」でも、海外に行くと様々なやり方にそれぞれの名称が付いていることもあります。少し紹介しますね。

ロースト(ロティ、アロスト、窯焼き)

オーブンなどで、遠火の直火で焼き上げる方法ですね。聞いたことがある人もたくさんいると思います。クリスマスなどのローストチキンがまさにそれですね。じっくりとしっかり焼き上げることができるので、大きいものや表面をパリパリにしたいときにおススメの焼き方です。

グリル(グリエ、グリリアータ、網焼き)

自株に網などを置いて直接焼き上げる方法です。日本では直接的になる意味の言葉はありませんが、網焼きや炭火焼きなどがようはグリルのことですね。直接焼き上げるが故の香ばしさがたまらない焼き方の一つです。

ソティ(ソテー、サルタート、焼く)

たぶんみんなが考える焼くのベーシックがこれではないかと思います。フライパンを使ってこんがり両面焼き上げる。王道の焼き方ですね!表面はこんがり、中はしっとり焼き上げることができる調理法です。

他にもポワレやブレゼなどの焼き方があり、特にフランス料理では事細かに焼き方の違いを明確にしています(フランス料理では、焼き方だけでなく切り方、ソースの形状、あらゆることを事細かく細分化しています。気になる方は調べてみると面白いかもしれません)。ただ、普段使う焼き方として意識したいのは、上の3っつですので、覚えておいてくださいね。

炒める

焼くと同じようにフライパンを使いますが、こちらは火を入れることに特化させた加熱方法と言えるかもしれません。

焼くときのように熱を直接加えながら、油も使って揚げる要素も加えます。フライパンをしっかりと振り、全体を均一に加熱していきます。

焼くが「静」の加熱法ならば、炒めるは「動」の加熱法と言えるでしょう。

これは私の勝手なイメージですが、炒めるという調理法には中華料理に一日の長があるように思います。

揚げる

言わずと知れた、食材を高温な油に入れて加熱する調理法ですね。

衣をつけて揚げることで水分が飛び、カリカリな食感を楽しむことができます。油でコーティングされるので、当然油のうまみも付加されることになります。

また、食材の表面を全方位的に加熱して固めることができるので、表面の水分は飛びますが、中の水分が保持されやすいというメリットもあります。

某有名な天ぷら屋さんのご主人に言わせると「揚げ物は蒸し物」なのだそうです。カリカリの衣の中で食材をどのように蒸し上げるか、そんなイメージで食材を揚げるということです。これを聞いた時に私もなるほどなとうなった記憶があります。

ちょうど良いタイミングで揚げるのは少し難しいですが、極めてみたい調理法でもありますね!

茹でる

煮立った湯で加熱する方法です。大昔からある料理法の一つでもありますね。生で食べられないものは焼くか茹でるか。原始的な料理法なだけに、歴史を積み重ねて奥深くなっている料理法でもあります。

一言でゆでると言っても、どの程度の温度でどのくらい茹でるのかによって、食材の状態が変わってきます。また茹でる水に味を入れることでもまた違ってくるでしょう。下茹でなどのように、完全な加熱が目的でなく、臭みを取ったりぬめりを取ったりする茹で方もあります。

料理を学びたいなら、まずは茹で方をマスターしたいところです。

煮る

茹でるの発展形の料理方法ですね。茹でるとの明確な違いはいくつかありますが、私なりに一言で表現させてもらうなら、食材を料理にする、という点にあると思います。

茹でるは加熱が大きな目的ですが、こと煮るという料理方法に関しては、味を入れたり柔らかくしたり、食材を料理に昇華させる意味合いが大きいと思います。

そのため、煮るときの調味液や、食材の形、煮る時間など、煮るという料理方法を成立させなければならない要素は多くあります。難易度の高い料理方法と言えるでしょう。

その代わりに煮ることで得られるものは多いです。

短時間では得られない味の深み、食材の奥までしみこむ味、トロトロになるまで柔らかくなる食材。煮込み料理には美味しいものが多いですよね。そりゃ、手間暇かってるんだから当然とも言えるんじゃないでしょうか。

蒸す

水蒸気の熱だけで食材に火を入れる方法です。水の沸点である100度という一定で低温の温度で加熱できるので、激しく火を入れたくない料理に最適な調理方法です。ただし、あるていど密封した状態でないと蒸すことができないので、料理の過程で状態を知ることができません。食材の特性を知っておかないと、蒸しすぎてしまうこともあるので注意が必要です。

油を使わない調理法で、かつ食材の脂もあるていど抜けるので、ヘルシーな料理が食べたいときはこの調理法ですよね。

和える

蒸気の方法で加熱した食材、または生のままの食材を調味液で混ぜて味付けをする料理方法です。

全体に均一に味付けができるほか、加熱に適さない調味料を料理に仕上げるときに重宝します。他の料理方法と組み合わせて、最後の仕上げに「和える」ことが多いですね。

新しい料理方法は常に発明されている

上でご紹介した料理方法は、いわば「オールドタイプ」ともいうべき、昔からある料理方法です。しかし、そんな昔から今に至るまで、それ以外の料理方法が発明されなかったわけではありません。

特に近年では、料理は「科学」ともとらえられるようになり、物理法則や化学反応を利用した、理論にのっとった新しい料理方法が生み出されています。たとえば、

コンフィ

食材が加熱される温度~水分の沸点以下の温度の間、絶妙な温度帯を狙い、食材を破壊することなく加熱する調理方法。しっとりと仕上げることも出来れば、柔らかく仕上げることも出来る。真空調理と組み合わせているので、水分の損失が驚くほど少ないのが特徴。

エスプーマ

食材をムース状に仕上げる技法。何でもアリか、ってくらいなんでもムースにできる。

亜酸化窒素(または二酸化炭素)を使って食材を攪拌することでムース状にできるとかいう、まさに化学。

 

などですね。もちろん他にもあるので、気になったものがあれば随時こちらでも増やしていこうと思います。

また、これらの調理方法を手軽にする調理道具も存在します。自分がどんな料理を作りたいかと相談して、少し便利な調理道具を手に入れてみるのも面白いかもしれませんよ?

自炊を究極的に手助けしてくれるアイテムたち
フードプロセッサーや電気フライヤーなど、自炊を便利にするだけでなく、新しい世界を切り開いてくれる究極のキッチン家電たちをご紹介します!必要かどうかではなく欲しいと思ったら手に入れるのがベスト!

次は、少々趣向を変えて、衛生のお話。

食材の衛生~料理で必要な衛生知識~
キッチンをきれいに保つことは自炊で重要。清潔さを保つためにも衛生知識は身に付けておいた方が得。何が汚く、どう対処すればいいのか、正しい衛生知識を身に付けて、掃除や食中毒予防に役立てよう。
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職業は創作イタリアンの料理長…をしておりました。子育てを機に現在は料理長職はお休み中。その代わりにブログを起ち上げた次第です。
ブログは初心者ですが料理はプロなので、その経験を活かしたブログづくりができればと思っております。

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