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自炊が楽しくなる話2~買い物を上手にするコツ

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自炊が楽しくなる話

料理をすることにばかり目が行きがちですが、実は自炊にとってまず面倒くさいのが「買い物」だったりするんですよね。

そもそも皆さんは週にどれくらい買い物に行きますか?

服を買いに行くとか、趣味の物を買いに行くとかだったら結構な回数行っているでしょうが、こと食材を買いに行くとなると、途端に回数が減るのではないでしょうか。

もちろん人によるとは思いますが、行かない人は「月に一度」行けばいい方、なんて人、私の周りでもよく見かけます。

例えばそういう人たちが急に「自炊するから買い物して」って言われてもはっきり言ってなーんにもすることできませんよね。したことがないんだからしょうがないです。

テレビ番組で、小さな子供のはじめてのお買い物を面白おかしく見てる人の中には、自分だってじつは出来ない人がいるわけです。

そんな人たちのために、ここでは買い物に関することをお話ししようと思います。

買い物を上手にするために

初めての買い物は疑問だらけ!

自炊をするためにはまず食材を手に入れなければなりません。食材を手に入れるには、スーパーマーケット(以後スーパー)などで買い物をしなければいけませんね。

でも、今まで自分の意志でスーパーで買い物をしたことがない人たちにとっては、そこら辺のスーパーで買い物するのも、タイのチャトチャック市場で買い物するのも、難易度に大差ないと思うことでしょう。

初めてのお買い物は疑問だらけ。特に多いのが、食材の名前と見た目が一致しないということです。

私は飲食店で働いているのですが、時々バイトにこんな質問を投げかけられます。

「これってキャベツですよね?」

手に持っているのはレタスです。もちろんこの逆バージョンもあります。白菜も仲間入りして三つ巴になるときもあります。

最初その質問をされたときは「っえっ!?」と絶句してしまったのを今でも覚えていますが、現在は慣れっこなので、

「葉っぱがツルツルしててわりかし重いのがキャベツで、ワシャワシャしてて軽いのがレタスで、大きくて重くて白っぽいのが白菜だよ」

と優しく正してあげるわけです。つまり慣れっこになってしまうほどそれなりに頻繁にこの質問が飛んでくるってことですね。

私は別に、今の現代人がおバカさんになってしまったのだとか、老眼になって手に持っているものがちゃんと見えなくなってしまったんだとか、そんな風には思っていません。

私欲材の見分けがつかないのは、ただ単に、接したことがないからなんだと思います。

これがキャベツでこれがレタスでこれが白菜で。

そんな風に比較しながら見分けるシーンに出会ってこなかっただけなんでしょう。

毎日食べている食材に、20歳になるまで全く興味を抱かなかったことに対してはちょっと思うところもありますが、じゃあ皆さんは「ヒラマサ」と「はまち」の見分けがつきますか?

体形がすらっとしていて優しい顔がヒラマサで、

ずんぐりした体形で威張っている顔がはまちです。

って言ってもわからない人の方が多いんじゃないですかね?

そもそもヒラマサってなに、って思った人もいるのではないでしょうか。

(ちなみに、ヒラマサは見た目がぶりに似た魚で、でも全く違う仲間の魚!味はブリよりもさっぱりしていて私は好み!)

「ヒラマサ」と「はまち」の見分けがつかないことと、

「レタス」と「キャベツ」の見分けがつかないこと。

ここにどれほどの差があるというのでしょうか。まったく同じことだと言えませんか?

だから、分からないことに対して無知だと馬鹿にしてはいけませんし、分からないことを恥じる必要もありません。

分からなければ知ればいい。ただそれだけのことなのです。

買い物にも同じことが言えます。

野菜の種類、魚の種類、肉の種類、最初は分からないものも多いでしょうが、だったら知ればよいだけです。数学の難しい計算式とは違うのですから、答えはスーパーの値札に書いてありますよ。

大事なのは、分からないからといって逃げないことです。

スーパーの入り口は、暗殺一家の家に入るための試練の門とは違います。自動ドアでできていて、勝手にひらいてあなたを受け入れるでしょう。

さあ勇気を出してスーパーに入りましょう!

まずは自分が何を買いたいか

敵を知り己を知れば百戦危うからず。

買い物をするためには、自分のことも知っておかねばなりません。

すなわち、

何を買いたいのか、です。

自炊をするから買い物に行こうと、買うものを決めずにスーパーに行ってしまっては、何もできずに帰る羽目になるでしょう。それならまだいい方で、余計なものをたくさん買って、結果的に何の節約にもならなくなってしまうこともあります。

それではもったいないし、自炊の意味も半減してしまいます。そうしないためにも、買い物に行くときは必ず、買うものを決めて臨んだ方が良いです。

私のレシピブログでは必要なものをピックアップしているので、それを参考にしていただくもよし、それとはまた別の料理を作るにしても、しっかりとほしいものは決めてから行くべきです。頭で覚えるのではなく、スマホでも紙でもいいのでメモを取ることをおススメします。

そのほうがいざ自炊を始めた時も「これ買うの忘れた」ってこともなくなりますから。

買い物は意外とテクニックが必要

買うものを決め、買いたいものも知り、ではいざスーパーへ!

しかし扉を入った途端、途方に暮れる人はいませんか?

なぜならそこに広がっているのは、

迷宮。

商品の陳列棚とセールのワゴンで形作られた迷宮だからです。

どこに何があるのか全く分からず、一つの商品を買うのにも店内を一周して、気づいたら何十週もした、なんてことになる可能性を秘めています。

怖いですねー。

実は買い物には、迷宮を攻略するかのごときテクニックが必要とされます。

どこに何があるかをしっかりと把握し、自分が必要なものと照らし合わせて最適ルートを選択する。これをすることが出来なければ、買い物が終わったころには疲れ果て、自炊どころではなくなってしまいます。

でも買物初心者の人たちには、当たり前ですがどこに何があるかを把握するすべはありません。これには経験が必要になりますので、最初はどうしたって迷ってしまうものです。仮にどんなに経験を積んでも、行ったことのないスーパーに行けば初心者と似たようなものに誰でもなってしまうのですから、これはどうしようもありませんね。

ただ、迷宮の構造をある程度推測することは、実はできます。

スーパーマーケットなどの、特に食料品売り場で言えば、実はある程度物の置かれている位置が決まっているのです。

ズバリ言えば、

入口

青果(その横か奥に大豆製品や練り物など)

鮮魚(一緒に魚介加工品が置かれていることが多い)

精肉(冷凍加工品やハムなどの食肉加工品が近くに置かれることが多い)

惣菜(冷凍食品が近くにあることが多い)

の順番に、壁際を回ることができます。理由もあります。

  1. お客さんの導線として利用しやすい順番
  2. 最近は加工場が併設されているのでその利便性の都合上
  3. 匂いがあるものなどが同じ場所で混ざらないように

もちろんこれ以外にもありますし、店舗によってはこの順番の限りではないでしょうが(フロアで階層分けされている場合とか、パン工房もある場合など)、しかし迷ったらこの構造を基準にすればよいと思います。スーパーも私たちを迷わせたいわけではないですから、それなりに回りやすい構造を作っているってことです。

さらに言えば、レジで並んでいるときに気軽に追加できるようなもの(お菓子や乾電池、小さいサイズの嗜好品など)がレジの通路側に置かれていることが多いです。ついつい買っちゃう位置、というわけです。商売商売。

たまに分からなくなるのが卵の位置ですが、だいたいで言えば、肉の近くか、乳製品の近く、大豆製品の近くのいずれかにあることが多いと思います。

このように、だいたいの位置を基本として頭に入れておくと、店内でも迷わず、初心者だとばれずに買い物ができますよ。

レベルが上がれば狙ってもよい「安売り」

これは知っている人が多いとは思いますが、スーパーマーケットには「安売り」が存在します。普段よりも安く買える、あれです。

安売りをうまく利用すれば普通に買うよりも半額以下で必要なものをそろえるのもできるでしょう。

しかし、買い物に慣れないうちは安売りを狙う必要はありません。

普通に買い物をするのも一苦労であるのに、そこに「安く買う」という条件も付けたら、本当に面倒くさくなって続けることができなくなってしまうからです。

自炊は続けることが第一です。続けるためには楽しくなくてはなりません。それは買い物もしかりです。面倒くさすぎて続けられなくなっては、本末転倒ですからね。

ただ、買い物にも慣れ、もっと安く買いそろえたいという欲求が生まれてきたのだとしたら、話は違います。お金は使わないに越したことはないのです。ぜひとも安売りを狙っていきましょう!

食料品の「安い」の定義は一定ではない

安売りを狙う際に、まず考えたいのは「安さ」の基準です。

実は、食料品の価格というのはとても不安定で、家電量販店で「定価より50%も安いから買いだね!」というのとは全く違います。

お菓子などの希望小売価格が決まっている加工品などはまだ安定していますが、肉や魚などの生鮮食品はそもそも決まった価格がありません。

同じ肉でも、ブランド肉なら高いですし、輸入肉は安い傾向があります。魚は不漁なら高くなるし、豊漁なら安くなります。私たち消費者がよく買うものなのか買わないものなのかでも価格が変わってきます。

特に、野菜の値段はそれが顕著です。生産量は天候に左右されやすく、消費者が買わない野菜は仕入れも少ないから高くなります。そもそも旬がある野菜は季節によっても値段が変わります。安売りではない通常時の価格をとっても、毎日値段が変わるのですね。

同じキャベツでも、300円するときもあれば100円で買えるときもあるのです。

そんなキャベツが安売りして150円の時、それが高いのか安いのか、どう判断しますか?

さきに言ったようないろいろな要素を把握し、総合的に考える以外に方法はありません。しかしそれはまだ無理、と思うのなら、他のいくつかの店舗と比べるという手もあります。

スーパーA、スーパーB、スーパーC、比べて一番安い店で買うのも一つの手段です。

が、結局は比較するデータが必要になってくることに変わりはないので、一朝一夕に「安さ」を推し量ることは難しいことなのだと、覚えておいてください。

全ての商品が一度に安売りすることはない

上野アメ横でよくやる「閉店セール」とは違うので、スーパーにある商品が全て一度に安売りすることはありません。

たいていの場合、曜日か、日付かの一定の頻度で安売りは開催されます。また、その安売りをする商品もカテゴリーで開催日が分かれるので、極端な話、毎日何かが安売りしている、という店舗もあります。

それだけ聞くと「いつもお得だから考える必要ない」んだ、と感じるかもしれませんが、そうではありません。

例えば、

月曜 野菜安売り

火曜 肉安売り

水曜 魚安売り

木曜 乳製品安売り

金曜 日用品安売り

土曜 冷凍食品安売り

日曜 惣菜安売り

という安売りの場合、野菜と魚を安く買いたければ二日に分けて買い物しないといけません。

また、こういった恒常的な安売りとは別に「チラシ」による期間限定の安売りもあり、頻度は少ないが割引率は高い、というイベントも存在します。こちらも狙うとなると、もう毎日買い物に行かないといけない、という状況が発生します。非常に手間がかかりますね。

この状況を打開する方法が、多店舗の安売りを狙う、です。

店舗によって安売りをする日も商品も違います。その違いを狙って、一日で、多店舗、複数品の安売りを狙おうという買い方です。買い物をする回数がこれで減ります。ただ、これを実現するためには複数の店舗の安売りとチラシ内容を把握して比較し、最適解を求めないといけません。なんにしても労力のいる作業です。

ベストではなくベターを狙うのが「ベスト」

ここまで読んで、安売りを狙うことにあきらめを感じている人もいるかもしれません。

しかし、諦めないでください。まだ効率よく安売りを狙う方法はあります。そしてこれこそが、私がおススメする「安売り」の狙い方です。

実は、スーパーには店舗ごとに「得意」なジャンルと「不得意」なジャンルが存在します

スーパーAは肉が得意だが魚は不得意

スーパーBは野菜は得意だが肉は不得意

といった感じです。

もちろん、得意なジャンルは種類が豊富で値段も常に安い。安売り時はさらに安くなります。

逆に不得意なジャンルは種類も少なく、競争原理で普段の値段は普通程度ですが、安売りしてもそこまで安くなりません。

これを踏まえたうえで、では、あなたが買いたいものを思い出してください。

あなたはどんな時も買い物で肉も魚も野菜もすべてを必要としていますか?

そうではないはずです。

その時々によって、欲しいものにかたよりがありませんか。

肉が多めにほしいとき、野菜が多めにほしいとき、買い物にはそのつどに欲しいものの傾向があるはずです。

その傾向をぜひ利用しましょう!

例えば、今回は肉が多めにほしいと思ったら、肉が得意な店舗の、肉が安く売られる日を狙うのです。それ以外は安売りしてませんが、それでも普通に買ってしまいましょう。

こうすることで、すべての食材を安く買うことはできませんが、比重の大きいものを安く買うことで総額の割引率を上げるというやり方ですね。

買い物にかかる手間と、安く買いたいという欲求、

これを両立したのがこの買い方です。

「安売り」はベストではなくベターを狙う。

これが、買い物を負担にせず、かつ安く買い物をする妥協点だと私は思います。

スーパーにおいて安く買うことに躊躇はいらない

いろいろと書きましたが、結局はあなたがどう買い物をしたいかだと思います。

楽に買い物したいのなら安売りなど狙う必要はないですし、

安く買い物したいなら最安値を狙うのもありです。

私が提案したのはその間、って感じですか。

買い物に行く日は設定せずに、行ったときに安いものを買う、というやり方もあるでしょう。

つまるところお好きなように買い物をしてください。

ただ一つアドバイスすると、スーパーでの買い物は高級ブランド店で嗜好品を買うのとは違い、日常の1ページだということです。

例えば、一つの店舗でも、違う値段の同じ種類の商品があるとしたら、迷いなく安い方を買うことをおススメします。

数十円の違いなんて料理や味にはさして影響しません。だったら自炊は安さを求めるのみです。いろいろなことにこだわりを持っていたら、自炊が重くなるだけだと心にとめおいてください。

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