私たちは日々いろいろな国の料理を食べています。
たとえ「〇〇料理のお店」で食べたことがなくとも、今の時代そこら辺のお弁当にだってどこかの国の料理が入っていることは当たり前です。
私たちは知らず知らずのうちにいろいろな国の料理を食べているのですよ。しかもきっと、その国の数はずっと増え続けています。いつしかすべての国の料理が日本で食べられるようになるかもしれないですね。
タイ料理を知ろう!
というわけで、今回はタイ料理に焦点を当てていこうと思います。
私たちは知らず知らずのうちにいろいろな国の料理を食べていると言いましたが、このタイ料理に関して言えば、少し違うかもしれません。
日本においてタイ料理は、間違いなく「キテる」世界の料理の一つです。
そこらへんの繁華街に行けば少なくとも一件くらいはタイ料理のお店を見かます。賑わっているところに行けばもっとありますし、ショッピングモールのフードコートにもタイ料理は必須というくらいあります。
そんな人気と言えるタイ料理ですが、実は、万人にウケる料理かというと、そうじゃないですよね。
好きな人もいれば嫌いな人もいる。
というよりも、
好きな人は好きだけど、嫌いな人は絶対食べない、そんな極端な料理なんですよね。
どうしてタイ料理がそうなってしまったかと言えば、ある一つの食材がかかわっているのだと思います。
そう、パクチーです。
私が知る限り、これほど「好き嫌い」の論争を沸かせる食材は滅多にないと思います。しかもその度合いの激しさは並じゃないですよね。
嫌いな人は絶対に食べないし、
でも好きな人はブームを起こしてしまうくらい狂ったように食べます。
この好き嫌いの過敏さは「遺伝子」が関係しているという話もありますが…今回はパクチーの話ではないのでここではここまでにしておきましょう。
とにかくパクチーを含めいろいろな意味で注目を集めるタイ料理ですが、果たして皆さんは本当にタイ料理を知っているのでしょうか?
今回は一からタイ料理を解説していきます。
パクチー=タイ料理は間違い!
まず是正させておきたいのがこれ。
先もタイ料理の代表格としてパクチーを例にとりましたが、実は、本当のタイ料理を語った時、そこまでパクチーは出てこないんですよ。
もちろん使うことは使いますが、どんな料理にもパクチーが入っているわけではないし、パクチーそのものをサラダとして食べることもないのです。
今の日本人のパクチー好きは、身も蓋もなく言えば狂っているともいえるでしょうね。
思うに、嫌いな人はどうしても食べられない食材であることから、食べられる人は、食べられることに優越を感じてしまうんじゃないですかね。だから普通以上に食べて、食べられる自分をアピールしてしまう。そんな心理的な部分もパクチー好きにはあると思います。
ちなみに言うと私もめちゃくちゃパクチー大好きなんですけどね(笑)
パクチー食べ放題に何回も行きました~。
パクチーブームでパクチーが独り歩きしてしまい、パクチー=タイ料理のイメージが付いてしまいましたが、まず是正したいのがこの、タイ料理はそこまでパクチーを使わないということなんです。
ちなみに日本でタイ料理を食べるときに、「結構パクチー使ってるよ」と思う方もいるかもしれませんが、はっきり言ってそれはパクチー好きの日本人に合わせている場合がほとんどですね。
そもそもタイ料理とはどんな料理?
パクチーからもわかるように、日本人が考えているタイ料理は実は少し本当の姿とは違うことがあります。ですからまずは、本場のタイ料理を知ってもらいたいと思います。
料理を語るにはまずは歴史から。これは基本です。
ということで、タイ料理の成り立ちを見ていきましょう。
外の文化の影響を受けやすい地形
タイ王国の国土を思い浮かべてもらえばわかると思いますが、南はマレーシア、北はミャンマー(ビルマ)、ラオス、カンボジアに囲まれ、また中国とも陸続きで非常に近い場所にあります。海を隔てていますがインドも近いです。
島国である日本にとってはあまり分からないことかもしれませんが、隣接する国の料理文化はどうしたところで流入してしまうものです。
タイ料理も例外ではなく、いろいろな国の料理文化が混ざり合った結果出来上がった料理だと言えます。
そもそもタイがあるのは「インドシナ半島」ですよね。これはインドと、中国(CHINA)って意味ですから、ここら辺の料理文化はそれらをベースにしているとも言えます。
中でもタイは、中華圏から流れてきた民族だと言われていて、当然料理のベースは中華だということになります。
中華圏の料理文化の影響を受けた料理
タイ民族の成り立ちを考えるならば、タイ料理の源流は中華料理にあると言えます。特に宮廷料理などは今でもその流れを継いでいる料理が多いです。
そのため調理器具なども中華系の物を使うことが多く、中華なべやせいろなどを使う料理、つまり、揚げ、炒め、蒸しなどの料理法は中国から来たものだと言えます。
カオマンガイ(鷄飯)、バミー(ラーメン)、クイティオ(きしめん)、チョーク(おかゆ)は中華料理をもとにしていると言えるでしょう。
絶対とは言い切れませんが、基本的に辛くない料理は中華がベースの料理と言ってもいいかもしれません。
インド圏の料理文化の影響を受けた料理
インド圏と言っても、直接インドの影響を受けたというよりは、陸伝いにインド系の料理文化が入ってきたということになります。
また、アラブ料理やペルシア(イラン)料理も交じって流入したため、香辛料がタイ料理に混じったことは間違いないのですが、その形は独特なものに進化していきました。
甘辛い、すっぱ辛いはその代表と言えますね。
とは言え、タイ料理の「辛い」部分はインド圏の料理文化の影響であることは間違いありません。
タイカレーはその最たるものだと言えます(そもそも現地ではカレーとは言わずにゲーンという食べ物ですが、その形容はカレーそのものです)。
もともと半島にあった料理文化
様々な国の料理文化の影響を受けてきたタイ料理ですが、実はもともとある料理文化も決して弱いものではなく、今も色濃く残っています。
タイという国は実は非常に歴史があり、昔からタイはタイであったと言えます。
そのため、その土地の食材はまさにタイ料理には欠かせない要素であり、タイ料理の基盤となっています。
国土を見てもわかるように、半島に細長く伸びるため、海にも多く面し、さらにメコン川という大河も流れています。
海産物はもちろん、川魚などの河からの恩恵もタイは受けてきました。
さらにメコン川が与えるのは土地の肥沃さにもつながり、農作物や、それらを食べる畜産も盛んで、タイは食材の宝庫になりました。
そんな豊富な食材をもとに形作られた料理はバリエーションに富んでいます。
海産物であるエビを使ったトムヤムクンは有名すぎる料理です。
川魚を丸揚げする料理プラー・サム・ロットは見た目も豪華でメイン料理でよく出ます。
チキンでご飯を炊いたカオマンガイは知る人ぞ知る激ウマ料理。
青パパイヤの和え物ソムタムは地味に好きな人も多いのでは?
このように様々な食材がそれぞれ有名であるというのは、なかなかないことだと思います。
他にも、主食であるタイ米、ココナッツ、変なところだと虫を食べる習慣もありますから、食用の虫なんかも売っていたりします。
このように、様々な食材から生まれるのがタイ料理のベースになります。
辛・甘・酸が絶妙に混じったのが独特の味を生み出す
中華圏の料理文化
インド圏の料理文化
もともとあった料理文化
これらが混ざったものが今のタイ料理です。そのため、作られる味もとても複雑なものになっていきました。
トムヤムクンはすっぱくて辛い、グリーンカレーは甘くて辛い、パッタイは甘旨、ガパオは辛い中にハーブの香り、などなど。
タイ人は基本辛いのが好きなのか辛いものが多い傾向にはありますが、決してそればかりではない、日本の「旨味」にも通じる美味しい料理がたくさんあります。
世界的に有名になったマッサマンカレーは特に「旨いカレー」と言えますよね。
タイ料理は奥が深い変幻自在の料理
日本で食べられるタイ料理というのはほんの一部だと言えます。
本当にタイ料理を知りたかったら、もしかしたらタイに行くのが手っ取り早いかも?
少なくともパクチーだけがタイ料理ではないのだということは分かってもらえたかと思います。
米が主食であるという日本との共通点はそれだけで親近感を持ち、タイ料理を好きになる理由にもなるかもしれません。せっかくですからこれを機にタイ料理をもっと知って、たくさんの美味しいタイ料理を食べてもらいたいと思います。
ここからは、少し日本でも食べやすいタイ料理の一部を乗せておきますので、美味しそうと思うものがあったら是非食べに行ってみてくださいね。
いろいろなタイ料理の名前
トムヤムクン
みんなが知っていると思われる食べるスープ。トムは「煮る」、ヤムは「混ぜる」、クンは「海老」を指す。
カオマンガイ
チキンを茹でたスープでご飯を炊いて、チキンと一緒に食べる料理。カオが「米」、ガイが「チキン」を指す。
パッタイ
いろいろな具材と一緒に米で作った面を炒めた焼きそばのような料理。パッは「炒める」を指し、タイはタイ王国そのものを指す。タイの代表的な位置づけなのでしょうかね。
ヤムウンセン
香草(パクチー含む!)と様々な具と春雨を和えたサラダのような料理。ウンセンは「春雨」のこと!
ゲーン
日本で言うカレーのこと。大まかに言えばグリーン、イエロー、レッドとなりますが、タイにはもっといろいろなゲーンがあります。はっきり言って紹介しきれません。自分の好きなゲーンを探してみるのもいいかもしれません。
プー・パッポン・カリー
カニと卵をカレー風味で炒めたもの。私的にはこれが好き。とても美味しいです。
好きなタイ料理を召し上がれ
このようにタイ料理は色々あります。
タイ料理を知ってもらうためにここでは「タイ料理とは何たるか」ということをいろいろなことを言ってきましたが、実際に食べるときはそんなこと気にする必要はなく、食べたいタイ料理を食べればよいと思います。
パクチーが食べたかったらパクチーを使っているタイ料理屋さんに行けばよいのです。少なくとも私はそうしています!(笑)
好きな料理を見つけて、タイ料理を好きになってくださいね!
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