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包丁の構造・各部位の名称を知っておこう

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自炊が楽しくなる話

包丁の形は皆さん知っていると思いますが、では、各部分の名称をちゃんと言えますか?

料理番組やレシピ記事などでたまに出てくる「包丁のどこ?」

今回はそんな疑問を解決するための虎の巻

包丁の各部位の名称を知っておこう

包丁には持つところがあり、切る刃があります。刃の裏は切れません。先っぽは尖っています。手前の方が太くて先っぽの方は細い形です。面のところには何かの線が入っています。

と、

包丁の説明をするときにこんな説明になってしまうと、ちょっと格好悪いですよね。

こんな時、包丁の部位の名前がわかっていれば、もっとちゃんと説明できるようになるはずです。というわけで、細かく包丁の部位の名称を見ていきましょう!

まずは包丁の種類!構造が違う和包丁と洋包丁

包丁には、日本で生まれ育った和包丁と、海外で育った洋包丁があります(厳密には他にも中華包丁などもあるが)。

最近ではお互いの良いところを吸収しあった包丁が生まれてしまってはっきりとした違いがなくなってきてしまっていますが、ここでは違いをはっきりとさせるために、下のような違いによって分類しています。

違うポイント

刀身の違い

柄の構造

刃の付け方

和包丁

鋼(鉄)製

差し込み式

片刃

洋包丁

ステンレスなど

鋲止め式

両刃

刀身の違い

和包丁は鋼(ハガネ)を用いることで、鋭い切れ味を出しています。切れる反面、さびやすいという性質があります。

対して洋包丁はステンレスなど、ハガネ以外の素材を用いることで硬く長持ちする刃を採用しています。錆びませんが、硬くて研ぎずらい欠点があります。

柄の違い

包丁の構造として、刀身部分から伸ばした金属部分(詳しくはあとで解説)を木などを素材とした柄で覆うことで持ち手としています。

和包丁ではこの柄は嵌めるだけであり、対して洋包丁では嵌めた後に鋲などで止めています。

刃の違い

包丁の刃の構造は、まず、切れ味を出すためではなく包丁の土台としての強度を持つ金属(地金)と、切れ味を出すための刃となる金属(ハガネ)の二種類の金属が存在し、これらをどのようにして刀身部分に用いているかによって形が変わってきます。

和包丁でいう片刃とは、地金の片面にハガネをくっつけて作りだした刀身、もしくはすべてをハガネだけで作り片面だけを研ぎ出した刀身のことを指します。

洋包丁でいう両刃とは、全てを地金だけで作りだした刀身、もしくはハガネを地金で両側から挟み込んだ刀身のことを指します。

構造の違いで各部位の呼び方も違う

このように同じ包丁でも種類によって構造が違います。

構造が違うということは、各部位の呼び方も違うので注意が必要です。

特に片刃の和包丁だと、裏と表で構造が違うので呼び方も違ったりと、少し複雑です。

ここからはそんな洋包丁と和包丁の違いも加味して各部位の解説をしていきたいと思います。

包丁の各部位の呼び方を知るー手で持つ近辺

まずは包丁を手で握る部分の近辺の名称からです。

①柄(つか)「洋・和」

手で持つ部分。柄の先に包丁の刃があるのが包丁の基本形。

②柄尻(つかじり)「洋・和」

柄の部分の、包丁の刃が付いている方とは逆の先端。手で持ったときに一番手前にくる包丁の後端のこと。

③口金(くちがね)角巻(つのまき)口輪(くちわ)「和」

柄尻とは逆、包丁の刃が付いている側の、柄の終点の部分にある金属、ないしは石や樹脂のことを指す。刀で言う鍔(つば)のようなもので、包丁を包丁挿しにしまうときに柄が直接当たって壊れないようにするための防具。呼び方の違いは素材の違い。

④柄元(えもと)「和」

「柄」という文字が含まれているが柄の部分ではなく、その先、刃となる金属部分の最も柄に近い部分の事。ここは刃の手前になっていて首のように細くなっている。

⑤まち「和」

柄元の部分において、切り欠きのように段差がある場合、その部分のことを言う。

⑥なかご「洋・和」

柄の中に入り込んでいる、まちよりもさらに柄方向に延びた金属部分。このなかごを柄で覆うことで持ち手(ハンドル)としている。

包丁の各部位の名称を知るー刃の近辺(表)

包丁の要と言ってもいい刃の近辺の名称です。

①刀身(とうしん)「洋・和」

柄の先の金属部分全体のことを指します。

②峰(みね)「洋・和」

刃が付いている方とは逆の、包丁でいえば上部(背部)。もちろん刃が付いていないので切れない。用途としては食材を軽くたたいたりするときに使える。刀などで言う峰と同じ部分。「峰打ち」をするアレです。出刃包丁では「棟(むね)」と呼びます。

③刃先、刃線(じんせん)「洋・和」

刃が付いている部分の事。峰の逆位置ともいえる。

④刃渡り(はわたり)「洋・和」

指しているのは刃先とほぼ同じ部分ですが、部位ではなく長さのことを表現するときに使う言葉です。刃先の長さ、もしくはまちがある場合はまちから先端までの長さのことを指します。

⑤身幅(みはば)「洋・和」

刃渡りが刀身の長さを指していたのに対し、身幅は刀身の一番広い幅の部分のことを指す時に使います。

⑥顎(あご)「洋・和」

刃の部分、つまり刃先の柄に近い一番手前の終点部。角を指す。

⑦刃元(はもと)「洋・和」

刃先の中でも柄に近い手前の部分をさす。

⑧そり「洋・和」

刃元とは逆の、刃先の先端部のことを指す。包丁にもよるが、基準は、刃先の曲線が強くなる部分の事。

⑨切っ先「洋・和」

刃先の最も先端部分のこと。顎とは真逆の位置。

⑩平(ひら)「和」

表(おもて)の面の平らな部分。

⑪しのぎ筋「和」

平(ひら)の平らな部分から角度が付いて平(ひら)でなくなる部分の境目の線のこと。

⑫切り刃(きりは)「和」

しのぎ筋から刃先にたどり着くまでの面の部分のこと。包丁にとっての切れ味をつかさどる重要な部分と言えるでしょう。

⑬刃境(はさかい)「和」

切り刃の面のなかでも、土台となっている金属と刃となっている金属の露出した境目のこと。

包丁の各部位の名称を知る―刃の近辺(裏)

両刃である洋包丁にはあまり区別はありませんが、和包丁の、特に片刃の包丁では表裏で呼び方が違います。

①地あい

裏面における「平(ひら)」のこと。

②裏押し

裏面を整えるために研ぐ際に、平面に研げる外周部のこと。地あいの中でも峰から刃先にかけて。

③裏すき

裏面は中央部分が凹んでいることが多い。これは切ったものの身離れを良くしたり、裏面を整えるときに平研ぎしても裏押しのみが研げるようになっている。

④地境

裏面における「刃境(はさかい)」のこと。片刃の場合ほとんどがハガネですから、表面の刃境と違い、峰の近くに地境は表れます。

 

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