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世界の料理1・イタリア料理を知ろう!

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自炊が楽しくなる話

自炊をしていて、自分が作っている料理はいったい何料理なんだろう、って気になったことはないですか?

自炊じゃなくても、お店で食べているときでもいいですが。

日本料理ならもちろんわかるでしょうけど、気付かないうちに何料理だか分からないものを食べていることは多いと思います。

思うに、基本的に美味しければ何でもいいんですよね、日本人は。だからこそ、日本で食べられる料理は多種多様で、多国籍にわたり、さらに別の料理を組み合わせて創作料理も受け入れて生み出してしまうのだと思います。

それは日本人のすごくいいところだと思います。人によっては自国の料理に誇りを持たないのかと疑問視する方もいるでしょうが、美味しいものであればなんでもいいというのは、厳しい言い方をすると美味しい料理以外は認めないということです。

料理人である私からすれば、それは厳しい環境であり、だからこそ自分も料理の腕を磨ける最高の環境だともいえるので、とてもありがたいと思っているのですよ。

と、

ちょっと真面目な話はこれくらいにして。

ともかく、美味しい料理をなんでも受け入れる日本人ですが、じゃあその料理がどんな由来でどんな意味があるのかとかは、ほとんど知らないですよね。そっちにはあまり興味がないようで(笑)

ぶっちゃけ食べている料理が多様すぎて、いちいちそんなこと考えて食べてたら美味しい料理も美味しくなくなっちゃいますから、それはしょうがないと思います(笑)

でも、やっぱり知っているに越したことはないと思うんですよね。

例えばアヒージョ。食べたことがある人も多いですよね。

アヒージョがどんな意味で、どこの国の食べ物で、どうやって食べるモノなのか、そういうことを知れば、料理ももっと美味しくなるかもしれないし、純粋に雑学として自慢にもなります。

というわけでこの「世界の料理」記事では、各国の料理をちょっとだけでも知ってもらえるように、私が語れる限りでその国の料理を紹介していこうと思います。

読んでもらえればその料理が食べたくなりますよ!

イタリア料理を知ろう!

最初の世界の料理は、イタリア料理にしようかと思います。

いろいろな店で働いてきましたが、一番最近まで働いている料理ジャンルですし、好きな方も多いと思いますので。

いろいろな角度からイタリア料理を知ってもらえたらと思います。

イタリアってどんな国?

イタリア料理を語るうえで、まずは「イタリア」がどんな国なのかを軽く知っておいてもらった方が良いと思います。

「観光地」としても有名なイタリアですが、「料理」という側面から見るイタリアは、とても面白いんですよ。

海の料理がある

イタリアの国土は長靴のような形をしているのは知っている人も多いかと思います。イタリアはアペニン半島(イタリア半島ともいわれる)という半島というに位置しており、つまり海岸が多い地形をしているので、当然海産物を使った料理が豊富にそろっています。

有名な「シチリア島」もイタリアですから、やっぱり海にちなんだ料理が多いんですね。

山の料理がある

イタリアのど真ん中を縦に走っているアペニン山脈。これがあるおかげで、イタリアには山の幸が豊富です。オリーブオイルや熟成が必要なチーズなどは山の幸と言えるし、シカやウサギなどのジビエ肉も豊富。

有名なカルボナーラなどは、山で暮らす人間たちが作り出した山の料理でもあります。理由はのちほど。

ちなみに、ちょっと外れた雑学ですが、山脈の中には「モンテローザ」もあるんですよー?どこかで聞いたことある名前ですよね。

地方に寒暖差がある

イタリアは南北に延びる半島です。北半球にある国ですので、当然北側は寒く南側は暖かい傾向にあります。

料理は土地の気候に合わせて発展していくものなので、寒暖差があればやはり料理にもそれぞれの特徴がでます。

暖かい地方では冷たい料理であったり、暖かい海に寄ってくる魚介を使った料理があったりします。

寒い地方では体を温めるような煮込み料理や、寒くても食べるものに困らない保存食が発達しています。

どこかで聞いたことがあるような特徴…これって

海があって、山があって、地方によって寒暖差があって…これってどこかに似ている地理の特徴ですよね?

そうです。

イタリアは日本に似ているのです。

国土の大きさもほぼ同じですし、緯度は違いますが北と南がちょうど北海道から九州くらい。地中海気候に属しているイタリアは基本的に温暖ですが、四季がはっきりとしていて北の方は冬はとても寒いです。山脈は火山性なので、地震大国でもあり、温泉の恩恵もあります。テルマエロマエで知っている人もいるかもしれませんね。

このように、イタリアと日本は極めて近しい風土を持った国と言えます。ですから、その地に根付いている料理も、使っている食材は違えどもとても似たような料理文化がるんですよ!

日本人がイタリアンを好きになるのにも納得ですよね。

どんな料理があるの?

日本料理に近いと言っても、もちろん全く同じというわけではありません。

そもそも使っている食材も違いますから、コンセプトは同じでも全く同じものができるはずもないですね。

というわけで、じゃあ一体イタリア料理にはどんなものがあるのかを見ていきましょう。

イタリアの主食

日本でいうところの白米。イタリアでは何かといえば、皆さんもご存知パスタです。

でも、実はパスタと言っても日本人がすぐに思い浮かべる「ロングパスタ」ではなく、ショートパスタが一般的です。しかも乾燥ではなく、生が主です。

日本人が知っているショートパスタと言えばペンネか、あとはコンキリエかファルファッレか…。

でも、イタリアにはパスタの種類は無限にあると言ってもよいです。なぜならパスタは「マンマの料理」と言えるほど、各家庭に各家庭のショートパスタがあるからです。地方によっても差がありますし、知り尽くすことは難しいでしょう。

もちろんロングのパスタもたくさんありますし、保存がきくように乾燥のパスタももちろんあります。

またパスタ以外の主食と言えば、イモニョッキフォカッチャのようなパン、さらにポレンタと呼ばれるトウモロコシの粉を練ったものも寒い地方では主食として食べられています。

意外かもしれませんがお米もあります。日本のように炊くことはしませんが、リゾットとして煮て食べたりしますね。パスタを米の形にして食べることもあるくらいそれなりに身近な主食であります。

イタリアの海の幸を使った料理

イタリアにも、日本で言う「県」と同じ「州」というカテゴリーがあります。そして「長野県」や「埼玉県」のように海に面していない州はイタリアでも数えるほどしかありません。当然海の幸の料理も多いです。

また、山梨のように海のない県で海産物を使った保存食「煮貝」が作られるように、イタリアでもカタクチイワシを使った「アンチョビ」は山で作られる保存食であるというのも面白いところです。

魚や魚介を使った料理はたくさんあり、また北と南で趣が変わる傾向があります。南ではカルパッチョズッパディペッシェと呼ばれる魚介のごった煮(ブイヤベースのようなもの)など、生の海鮮を豪快に使った料理が多く、

北ではバッカラと呼ばれる干し鱈、ハーブなどをふんだんに使った煮込みやオーブン料理などが多くみられます。

また歴史的に他国の影響を受けている州もあり、香辛料を使った料理があるのも面白いところです。

主な食材は

ムール貝、ボンゴレ(アサリ)、イカ、たこ、エビ、マグロ(ツナ、トンノ)、からすみ(ボッタルガ)、アンチョビ、バッカラ(またはストッカフィッソ。干し鱈)など

イタリアの山の幸を使った料理

イタリアで代表的な山の幸と言えば、オリーブや、トリュフやポルチーニなどのキノコ、ジビエと呼ばれる野生の畜肉(イノシシやシカなど)といった豊富な食材があります。皆さんご存知ですよね。

山の幸の方が北と南で差が強く出るようで(寒暖差があるからでしょうね)、例えば、南の方は料理にオリーブオイルを多用するのに対し、北の方は畜産で得られる乳製品を使ったバターを使うことが多いみたいです。

またチーズも、北では保存性を重視した熟成チーズが多いのに対し、南ではモッツァレラのようなフレッシュチーズが多く食べられます。

サルシッチャ(ソーセージ)パンチェッタ(豚肉の塩漬け)も元は保存食として作られたものですね。

主な食材は

オリーブ、ハーブ類(バジルなど)、チーズ、生ハム(プロシュート)、サルシッチャ、パンチェッタ、グァンチャーレ(豚ホホ肉の塩漬け)、唐辛子、レモン(シチリア)、野菜類、など

日本人が知っているイタリア料理の正体を知ろう

あまりにも当たり前に日本にイタリア料理がありすぎて、その正体を知ろうとする人ってあんまりいないと思います。

ジェノベーゼはジェノベーゼでしょ、といった具合です。

でも、やっぱり料理にはしっかりと由来があり、知っていた方がどんな料理なのかよくわかると思います。なのでここでは、一般的によく知られている料理を抜粋して、その正体をお教えしていこうと思います。

パスタ(ソース)の名前

・ペスカトーレ

漁師風の意。漁師が、調達した魚介で豪快に作ったことからこの名前が付けられている。

・カルボナーラ

炭焼きの意。炭焼き小屋の職人が、常備食として置かれていた卵やベーコンを使って作ったパスタに炭を焼いたときの灰がかかっていたことから、この名前が付いた。中に入っているブラックペッパーが灰を模しているというわけ。

・ボスカイオーラ

木こり風の意。木を切り倒しに行くときにたくさん取れるキノコを使ったパスタであることから。切り株に見立てたツナを入れることもある。

・プッタネスカ

娼婦風の意。所説は色々あるが、娼婦が家にある材料で手早く作ったとか、客に食べさせるくらい美味しいとか。基本的にはトマト、アンチョビ、ブラックオリーブ、ケッパー、などを使う。

・アラビアータ

怒っている、という意。唐辛子の辛みで、怒りを表現しているのだと思う。

・ペペロンチーノ

唐辛子の意。日本ではいろいろな具材を加えたりもして、ニンニクの香りと唐辛子の辛さが癖になる、好きな人も多いと思うパスタですが、イタリアでは、本当に何もないときに食べる貧乏パスタのようなもので、具材を入れるということはあまりしないみたいですよ。

・ボロネーゼ

大陸と半島の境目くらいにあるエミリアロマーニャ州の州都である、ボローニャ風の意。日本で言ういわゆるミートソースですが、実はイタリアにはミートソースはありません。イタリアで言うボローニャパスタとは、いろいろなお肉が入ったトマトで煮込んだソースのこと。

・ジェノベーゼ(バジリコ)

イタリア北部左側の海岸線にあるリグーリア州の州都である、ジェノバ風の意。バジルのペーストなどを使った緑色のパスタを指しますね。バジリコと呼ぶことが多いかもしれません。ちなみにペーストジェノベーゼの作り方はこちらで紹介していますよ。

自炊に必須!料理を簡単にする作り置きレシピ
キッチンに作り置きしておけば、好きな時に好きなものを簡単に作れるようになる。手間や時間が限られた自炊では必須の作り置き。そのさまざまなレシピから、広い用途で使えるモノばかりを集めています。これからもどんどん増えていく予定。

・アマトリチャーナ

イタリアの首都ローマを擁するラツィオ州にある山間の町アマトリーチェの意。グァンチャーレと呼ぶ豚ホホ肉塩漬けを使ったトマトソースパスタのことです。少し前にアマトリーチェは大地震でひどい被害を受けてしまいました。しっかりと復興してほしいですね。

パスタ(麺)の名前

・リングイネ

断面が楕円形のロングパスタ。「舌」を語源としているようですね。ジェノベーゼとの相性が良いです。

・タリアテッレ(フィットチーネ)

幅が5~10ミリ程度の幅広のロングパスタ。きしめんみたいなパスタですよ。クリームソースとの相性がとても良いです。フィットチーネは中部から南部にかけての言い方になります

・パッパルデッレ

20ミリ以上にもなる超幅広のロングパスタ。群馬県の名産品である「鬼紐皮うどん」のようなパスタ。食べてみると面白い。

・ペンネ

断面が斜めにカットされているショートパスタ。日本人には馴染み深いパスタの部類ではないでしょうか。ペンの先のようなことからこの名が付いているようです。

・ファルファッレ

蝶の形を模したショートパスタ。見た目がかわいく、料理との相性も良い。

・コンキリエ

貝の形を模したショートパスタ。パスタサラダにも利用されることがありますね。

・オレキエッテ

耳たぶの形を模したパスタ。ブロッコリーを使ったプーリア州の料理でよく使われる。

・リゾーニ

米の形を模したパスタ。スープなどに加えて食べられることが多い。

・ツベッティ

いわゆる日本人が昔から「マカロニ」と呼んで親しんできたショートパスタ。でも、気のせいか最近はあまり見かけなくなったような?

ピザなどの名前

・オルトナーラ

菜園風の意。まさに野菜だけで作っているからこう呼ぶ。ピザだけでなく、パスタやスープでも作られることがあります。

・マリナーラ

水夫風の意。海での仕事が多い水夫たちが船にある材料で作ることからこの名が付いたと言われる。トマトソース、アンチョビ、オレガノ、ニンニクで作られる。

・コンタディーナ

田舎風の意。菜園風と同じく野菜を使った料理を指すことが多いが、ソーセージを入れるとか、ジャガイモでとろみを付けるとか、いくつかパターンが存在する。田舎っぽい感じがすれば田舎風なのかもしれない。

・クアトロフォルマッジ

好きな人も多いのではないのでしょうか。クアトロは数字の4、フォルマッジはチーズのこと。つまり4種類のチーズを使ったピザのことです。ちなみに1,2,3,4,5は、ウノ、デュエ、トレ、クアトロ、チンクエ。

・マルゲリータ

イタリア王妃マルゲリータ・ディ・ サヴォイア=ジェノヴァが由来とされる名前。トマトソースにモツァレラ、バジルが乗っているピザ。とりあえずピザを注文するときに迷ったらマルゲリータを頼む人も多いのでは?

その他の料理や素材の名前

・カプレーゼ

カプリ風の意。カプリは、ナポリの沖合にある島の名前。トマトバジル、オリーブオイルを使った前菜が有名。

・アクアパッツァ

暴れる水の意。なんかピンと来ないかもしれませんが、アクアパッツァは魚や魚介を水で煮込んだ料理。ぐつぐつと煮込む様が暴れているように見えたのかもしれませんね。

・ズッパディペッシェ

魚のスープの意。ペッシェが魚、ズッパがスープのことですね。料理としてはブイヤベースのようなものを想像すればいいと思います。ちなみに肉はカルネです。

・カチャトーラ

猟師風の意。山で猟をするときに、山の幸で作った料理であることからこの名が付いたみたいです。

・アーリオオーリオ

アーリオがニンニク、オーリオが炒める。つまりニンニク炒めです。本当にニンニクの炒め物のことではなく、ニンニクを使った炒め物のことですね。

・ポモドーロ

トマトのこと。トマトソースはサルサディポモドーロ。

・メランザーネ

ナスのこと。ナスを使った料理も多く、メランザーネの名を冠することもある。

・フンギ

キノコのこと。種類は問わず。

・スピナーチ

ほうれん草のこと。具というよりもソースや、パスタに練り込んで使うことが多い。

・トンノ

マグロ、ひいてはツナの事を指す。ちょっと面倒くさいですが、ツナは英語でマグロのこと。日本人的にツナと言えば「シーチキン」のことですけどね。で、イタリアでもシーチキンのような料理があるので、総じてトンノと呼んでいますね。

知って食べると納得

いかがでしたか?

イタリア料理のほんの一部ですが、お伝えできていたら良かったと思います。今度食べに行くときに、ちょっと頭に入れておくと新しい発見があるかもしれませんね!

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