ミールプランニングとは、簡単に言えば、メニューの予定を作り食材の調達や料理の準備などで効率を得ようという考え方のことですね。
ご存知の通り、このブログで実践している自炊を簡単に楽しく遂行するための料理術の一つでもあります。5つ打ち立てている料理術ですが、ミールプランニングは全ての料理術のベースになっていると言っても過言ではないくらい重要な要素となっています。
しかしひとことでミールプランニングと言っても、どのように考え、作成し、実行するのか、なかなか実態が見えない料理術でもあります。
そこで今回は、ミールプランニングの作り方から活用の仕方まで、しっかりと解説していきたいと思いますね!
ミールプランニングをしっかり理解して使いこなそう!
ミールプランニングを活用するためには、3つのステップがあります。
ファーストステップではメニューを作る枠づくりをします
どの程度の期間で、どのくらいの量で、どんなメニューを作りたいのか。
そんな設計図のようなものを作るわけですね。
セカンドステップでは作った枠組みの中にメニューを作っていきます
メニュー作りに求められるのは、出来る限り使いきれて、バリエーション豊かで、栄養のバランスが整っていることです。無作為にメニューを作ってはプランとして組み上げる意味がありませんものね。
そして最後のステップで、実行に移します
買い物から料理の作成までがこのステップに入りますね。ここまで来たらもう普通の料理手順とほぼ変わりません。むしろ、すでにメニューができている状態なので、ここからミールプランニングの恩恵を感じることになるでしょう。
というわけで、ここからはそれぞれのステップを解説していきたいと思います。
ミールプランニングの枠づくり(step1)
プランを作る期間
まずはどの程度の期間分のミールプランを立てるのかを考えます。
これは先に言っておけば、このブログでも推奨している「一週間」がベストだと思います。
適当に期間を決めた場合、どこで何を作ればいいのか、どこまでプランを作ったのか分からなくなる恐れがありますから、適当に決めるのはダメです(プランニングなのに適当に決めたらそもそもダメですよね!(笑))。
ある程度の節目がある期間、10日間、一か月、などが良いです。カレンダーや生活リズムでサイクルする期間が良いかと。そんな感じで、節目を決めて見失わない期間であれば好きな期間で設定すればいいと思いますが、気を付けたいのは、ここで決めた期間分のメニューを次のステップで作らなければならないということです。あまり長い期間を設定してしまうと最終的にミールプランが破綻してしまうかもしれないので、それでバランスを取って一週間がいいというわけです。
また一週間というのは、食材を買い出す時にスーパーなどが週に一回で安売りをしてることが多いので、それに合わせることができる期間でもあるのです。
とは言え、もちろん一週間でないといけないというわけではないので、自分の生活スタイルに合った期間を設定するのが一番いいですよ。
どのくらいの量を作るのか
人が食べる量というのはどうしても個人差がありますよね。小食の人もいれば、大食いの人もいます。
また一日何食分の食事をミールプランニングとして設定するかでも作る量は変わってきます。朝昼晩3食分を作るのか、晩ごはんだけを作るのか。
これに関してはこうした方がいいというのはありませんが、少しだけ意見を言わせてもらうならば、3食すべての食事で食べるものがあらかじめ決まっているというのは少し窮屈なものです。
ミールプランニングによって効率よく自炊ができるようになるのはすごくいいことなんですが、やりすぎるとそれはそれで不便さを感じてしまいます。
例えばふと今日はこれが食べたいな、と思っても、すべての食事を決めてあるとそれ以外の物が食べれなくなってしまうでしょう?
自炊を楽しくするための料理術が不便になってしまうのは本望ではないですから、ここはほどほどにしておいた方が良いと思いますよ。
ちなみにこのブログでのミールプランニング実践では夕飯分のみを2食分の量で作っております。こうすることでたくさん食べたいときは食べれるし、残して別のタイミングで食べることも出来ます。もちろん二人で食べることも出来るので、そのようなスタイルにしました(一人暮らしを対象にした場合です)。
どんなメニューにしたいのかざっくり考えておく
この段階でしっかりとメニューを決めるのではなく、まずはどんなものが食べたいのかをざっくり考えておきます。これは純粋に自分の欲望まっしぐらで大丈夫です。
お肉が食べたいなとか、中華が食べたいとか、何でもよいです。極端な話それが現実可能かどうかすら気にする必要ありません。とにかく何となく食べたいものをイメージしておきましょう。
メニューを作る(step2)
枠組みを作ったらいよいよメニューを作っていきます。
ここではブログの基準と同じく、期間は一週間で一食2食分で作ることを想定してメニューを作っていきたいと思います。
メニューの作り方には大きく分けて2つあります。
-
とにかくノートでメニューを決める。
-
買い物してから決める。
です。どちらがいいということはないので、それぞれの場合で作り方を解説していきたいと思います。
とにかくノートでメニューを決める
頭の中だけでメニューを考える人はこちらのタイプですね。買い物をする前に、とにかく机の上でじっくりとメニューを練ります。
考え方としては、
①使いたいメイン食材を決める
↓
②その食材で作れるメニューを考える
↓
③考えたメニューに必要になるメイン以外の食材を決めていく
↓
④決めた食材の中から要らなそうなものを抜き、似たような食材は一つの食材にまとめ、使いきれるように調整を施す
という流れになると思います。
まず①の工程ですが、最初はいきなりメニューを考えるのではなく、使いたいメイン食材を考えます。
これはもちろん、ざっくりと考えた食べたいメニューに使う食材からで構わないのですが、あくまでもメニューから決めるのではなく食材から決めた方が良いです。
なぜなら、食べたいメニューの羅列から始めてしまうと、
ハンバーグとステーキと豚の生姜焼き、あとから揚げも食べたい!
となります。
いっけんバリエーション豊かに見えますが、すべて肉料理である上に使っているメイン食材がすべて違います。あとで詳しくお話ししますが、スーパーで買える通常量は、例えば豚肉を買うにしても4食分ほどあります。一週間7品の料理をすべて違うメイン食材にしてしまうと、使い切ることができないのですね。
ですから、ハンバーグを食べたいという発想からメイン食材を合挽肉としたら、その時点で2品分のメイン食材を決めたことになるのです。そうして7品分のメイン食材を決めてから、②のメニュー決めに入った方が、無駄のないメニュー作りができるのですね。
それにやはり、食べたいものばかりのメニューで固めてしまうと「肉ばかり」となってしまったりと栄養のバランスが偏りがちです。ですからメイン食材から考えることで、ハンバーグや唐揚げを食べたくて合挽肉と鶏モモ肉をメイン食材として決めたら、少し魚を取り入れようとか、野菜が中心の料理も作った方がいいなとか、考えることができます。
そうしてメイン食材を決めたらしっかりと②でメニューを決めていきます。
先ほども言ったとおり、メイン食材1種類あたり4食分(つまり2品分)として考えるのが基本です。ただし魚は1食分から買えるので、純粋に1種類当たり1品分と考えて問題なしです。
例えば、
ハンバーグを作りたくて合挽肉を使うので、麻婆豆腐でもう一品合挽肉を使う料理を考える。同様に唐揚げとチキンステーキ、豚の生姜焼きとポークカレー、魚でサーモンのソテー。で7品。
といった感じです。これでメイン食材を使い切るようなメニューを決めることが出来ました。
そしたら次に、メニューに使うメイン食材以外の食材を決めます。③の工程ですね。
例えば麻婆豆腐であれば豆腐やねぎ、ハンバーグであれば玉ねぎや卵などですね。ここではとにかく必要なものを列挙していくだけなので難しいことはないと思います。
ポイントは食材のほか、調味料もピックアップしておくことです。調味料に関しては使い切りではないのですでにあれば買わず、なければ買えばよいです。
そして最後の④工程が、実は一番重要です。
ここまでくれば、この状態でもすでに一週間分のレシピはできているのですが、しかしこのままでは、使い切れない食材が大量に出てしまいます。逆に唐揚げは、今のところ唐揚げしかおかずとして出せません。そんなアンバランスな部分をここで整えていくのです。
今回は例を挙げて説明しますね
ハンバーグで使う玉ねぎを使い切るため、カレーでも使い、生姜焼きでも使い、それでも残るのならすり下ろして唐揚げのソースに使うのも良いでしょう。
麻婆豆腐に使うネギが余るのならサーモンソテーの付け合わせにしてもよいですし、豆腐が余るのなら唐揚げの付け合わせにするか、サーモンのソースにするのも手です。
ハンバーグに卵を使うので、チキンステーキのソースをタルタルソースにしてもいいですし、スープとしても良いでしょう。
カレーで使う人参は、ハンバーグでグラッセにしたり、しょうが焼きに付け合わせるサラダにしても良いでしょうね。
また全体的に野菜が少ないので、いろいろなメニューで組み合わせてもおかしくない野菜を加えていきます。
例えばナスを加えておけば、カレーに入れてもよいですし、唐揚げやハンバーグの付け合わせでもいけます。しょうが焼きに使うしょうがと組み合わせてナスの煮びたしにすることも出来ます。
こんな感じでバランスを取っていくと、いつの間にかしっかりと食材を使い切りつつ野菜のバランスもとれたメニューに仕上がっていくというわけです。
バリエーションも豊かにしつつ自分が食べたいものも取り入れる良いメニューになりましたね!
ただし欠点が一つ。
全てを机の上で決めているので、実際に買い物をしたら思っていた量で買えなかったり、安いものを狙っているわけではないので節約しづらいということです。
買い物をしてから決めていく
さて、こちらの場合は、頭の中で作り上げるのではなく、まずはとにかく買い物してみて、集まった食材からメニューを作りあげていく方法になります。感覚で料理をしたい人に向いたやり方だと思います。
こちらのやり方の場合の流れは、
①メイン食材の買い物をする
↓
②合わせる食材の買い物をする
↓
③買った食材からメニューを作りつつ、最適化を施す
↓
④足りない食材をピックアップする
こんな感じです。
とにかく買い物をしてからメニューを決めるので、最初の買い物が一番大事な工程になります。
①と②は別の工程にしていますが、同じタイミングでの買い物になります。買い物の手順としてこうなるということです。
まずはメイン食材を買います。買い方としては、ざっくり決めた作りたいメニューと相談しながら、実際にスーパーに行ってみると高かったり安かったりするので、それらと相談しながら決めていくことになると思います。
本当は使うつもりはなかったけど、行ってみたらすごく安かったから買ってしまう、というのは、計画的ではないですが、柔軟な対応という意味では買い物に行ってこそできることです。
また、使う量を考えて加減しながら買えるというものこの方法の魅力です。通常で考えれば4食分の豚肉が、8食分で買った方が安いとなれば、それを買うという手もアリですよね。
こんなふうに実際に売っているものと相談しながら7品分のメイン食材を買い、そのあとで、それらと何となく合いそうなそれ以外の食材を②の工程として買ってしまいます。
この時、実際に足りるかどうかはあまり考えなくてもよいです。安いものであったり食べたいものであったりメイン食材との相性であったりを考えて、とりあえず買うという感覚です。むしろ買いすぎるとあとで困ってしまうので、厳選してこれは食べたいというものだけ買うようにしましょう。
買い物を終えたら、ここで③の工程、メニュー作りです。
すでに食材を買っているので、その中から作れるメニューを組んでいくことになります。例えば、
ジャンボサイズの豚肉が安くて多めに買ったので3品作ります。さらにキャベツも安かったので、豚の生姜焼き、回鍋肉、ハッシュドポーク。普通サイズのチキンを買ったので、唐揚げ、チキンのチーズ焼き。魚メニューでブリ大根と、エビチリ。で一週間7品。
メニューを決めたら細かい調整を施します。
回鍋肉で使うキャベツがそれだけでは余るので、生姜焼きでも一緒に炒めたり、唐揚げの付け合わせのサラダにしたり。
ハッシュドポークでトマト缶を使うので、チキンのチーズ焼きを「トマト煮チキンのチーズ焼き」にアップグレードします。
ブリ大根に使う大根はハッシュドポークの具材にしたり、サラダにしたり。唐揚げのソースに利用しても良いでしょう。
エビチリに使うネギが余れば回鍋肉の具材にしたりもできます。
こんな風に調整を施していき、それぞれのメニューを最適化して洗練していけばOKです。
あとは4の工程。
まだ買っていない足りない食材や調味料を買い足します。本来買い物はSTEP3でやることですが、この方法だと買い物も一気に済ませてしまうことになるので、楽と言えば楽ですが、いろいろなことを一気にやらないといけないので少しせわしないかもしれません。
そしてそれがこの方法の長所でもあり欠点です。
この方法でやると節約を重視した買い物ができるうえに、適切な量で買い物をすることができるので良いのですが、やはり欠点はその難しさでしょう。買い物をしている段階で、ある程度メニューを想像できる発想力や、すでにある食材からメニューを作る構成力がないと買い物をしている段階で途方に暮れることになってしまいます。料理というものに慣れていないとちょっとうまくいかない可能性がありますので注意ですね。
ともかくこれにてメニュー作りは完了です!
実行に移す(step3)
このステップに来た段階で、ミールプランニングそのものは既に完了しています。ここからはそのプランを実行に移すのみ!
Step2の段階でどのようにしてメニューを作ったかによって少しやることが変わってきます。
まず、まだ買い物をしていない場合は買い物から始めましょう。
プランに沿って必要なものを買います。買い方として、すべてを一気に買ってしまってもいいですし、必要なものだけを順番に買ってもよいです。安売りを狙いたいという場合は後者の方が狙いやすいでしょうね。
すでに買い物は済ましている場合は、すぐに料理を始めるか、食材の保存をします。このstepで買い物をした人もそうしてください。
注意したいのは、ミールプランニングで扱う食材はある程度長期にわたって使用することになるということです。そのため、食材の保存というのは大事なポイントになります。
保存方法などに関してはこちらを見ていただいて、
さらに適切に冷凍してしまうのも賢いやり方です。素材の状態で冷凍してもよし、作ってから冷凍できるのならそれも良いでしょう。
冷凍に関してはこちらでも考察しております。
これにて、ミールプランニングの組み方の解説は完了です。
負担にせずに楽しくやることが前提
ミールプランニングは自炊生活の負担を減らして楽しくやっていけることが目的の料理術です。料理術をこなすための自炊にはならないように、初志である「楽しい自炊」を忘れないようにミールプランニングを楽しみましょう。
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