昔「ひじき」は鉄分の王様と言われ、含有鉄分は随一を誇っていました。しかし、2015年の食品栄養成分表の改定時、その鉄分量が10%程度に落ち込んでしまい、王様の座から陥落してしまいました。
この理由は、海で獲ったひじきを茹でて加工する際に使う調理器具にあります。
昔は鉄窯を使って茹でていたのですが、最近はステンレス釜で茹でらているのです。つまり、ひじきに含まれていた鉄分は、加工する際の「鉄窯」による恩恵だったということですね。これは切り干し大根などにも言えることです。
ステンレスは錆びず、使い勝手の良い調理器具ですが、こんなところで思わぬデメリットがあったのですねぇ。
とは言え、もともとひじきに入っている鉄分は少ないわけではありません。今までが抜群に多かったために「鉄分がじつは無い」という印象が強くなってしまっただけで、少なくはなっても「多い」に違いはないのです。
それに、ひじきにはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル、食物繊維なども多く含まれていますから、依然として栄養豊富で食べた方が良い食材に変わりはないのです。
というわけで今回は、そんなひじきを使って基本となる煮ものを作っていこうと思います。
仲間を使って鉄分復権の栄養満点ひじき煮
ひじきの良いところは、その食べやすさにあると思います。たとえ栄養を豊富に持っていても、食べずらかったり大量に食べないといけなかったりするとあまり意味がないですからね。
なかでもひじき煮は、副菜として食べやすく、いろいろな場面で付け合わせとしても食べやすいですから、レシピを覚えておいて損はありません!
そして今回は、陥落してしまった鉄分の王様としての地位を復権すべく、鉄分を多く含む仲間たちと共に煮付けていこうと思います。
準備
牛ひき肉 100g
ひじき 100g
今回は生ひじきを使ったのでこのまま使いますが、乾燥の場合は12g程度の乾燥ひじきを水で戻してお使いください。
小松菜 1/2束
ヘタは落とし、3㎝程度のざく切りにする。
人参 1/2本
太めの千切りにします。
厚揚げ 1枚
熱湯をかけて油を抜くか、おすすめは、魚グリルなどの直火で表面を焼くことです。こうすると油臭さが抜け、さらに香ばしさが出ておいしくなりますよ!
これを、横に半分にした後、5ミリ程度の厚さにスライスします。
こちらが切ったものになります。
ごま油 適量
すりごま 5g
合わせ調味料
つゆの素 50g
醤油 20g
砂糖 15g
水 100g
全て合わせておきます。つゆの素の作り方はこちらです。
作り方
フライパンをよく熱したらごま油を敷き、火を消して少し冷ました後に牛ひき肉を入れて中火で炒める。
ひき肉に火が入ったらにんじんを加えてさらに炒める。
ある程度炒めたら小松菜を加え、しんなりしたらひじきと厚揚げを加えます。
さっと炒めたら合わせ調味料を加え、弱火で煮含めていきます。煮汁があまりないので、時折優しく混ぜながら煮含めていきます。厚揚げが壊れないように気を付けましょう。
このくらいになったら出来上がりです。仕上げにすりごまを混ぜ入れて、器に盛り付けたら、完成です!
小松菜、厚揚げ、ゴマ、牛肉は鉄分を含む食品の代表格です。そして植物性と動物性の鉄分(ヘム鉄と非ヘム鉄)も同時に摂れるレシピに仕上げております。
今回は牛肉にひき肉を使いましたが、薄切りなどのスライスでも作れます。お好きな方をお使いください。
そして肉が入っているおかげで、副菜としてもさることながら主菜としても食べることができます。ひき肉を使った今回は、さながら肉ひじきそぼろ!ごはんとの相性はばっちりです!
鉄分を筆頭に栄養満点のひじき煮、ぜひ作ってみてはいかがでしょうか。
コメント