世界の料理シリーズ第3弾はアメリカ料理!
をやろうと思うのですが、はっきり言ってアメリカは広すぎて、いろいろな料理文化がありすぎで一つの記事にはまとまりません!
なのである程度の地域ごとに分けてしまうことにしました。
というわけで今回はこちら!
HAWAII・ハワイの料理を知ろう!
あまりにも有名すぎる「ハワイ」の料理を今回は解説していきたいと思います。
日本人にとっても馴染みの深いハワイ。旅行で行く人も多いですし、実際にハワイに行ったことはなくてもハワイから来た食べ物を食べてる人も多いはず。
でも。
皆さんは、本当にハワイの料理を知っていますか?
実は本当のハワイ料理を皆さんは知らないかも??
パンケーキはハワイ料理じゃない
まずですが。
まさかとは思いますが、ハワイ料理と聞いて、
パンケーキとか、
アサイーボウルとか、
思い浮かべる人はいませんよね?
確かにパンケーキやアサイーボウルのブームの火付け役はハワイの人気店ですし、拡げたのもハワイ発のお店が多かったです。でもね、これらは当たり前ですがハワイ料理ではありません。
パンケーキなんて要はホットケーキですから、ホットケーキは日本にも昔からありますよね。ただ単にハワイ発のパンケーキの人気が出たというだけで、パンケーキがハワイ料理なわけがないです。
アサイーボウルもなんかハワイっぽいからハワイ料理、と思っている人もいるかもしれませんが、アサイーの原産はブラジルです。
ハワイ現地で流行ったものが、日本に輸入されてこちらでも流行ったというだけで、パンケーキとほぼ同じなわけです。
ハワイからブームが来たからと言って、それがハワイ料理だというわけではないのです。
ハワイ料理とは何なのか
じゃあ一体ハワイ料理って何なのさ!?
と思った方もいるでしょうから、先に料理をご紹介しますと、
ポイとか、ラウラウとか、ハウピアとかです。
料理名には聞こえませんか?
それもそのはずです。
これらの料理、ハワイの料理であるがゆえに、アメリカの料理ではないのですから。
この意味を知るためには、やはりまずはハワイの歴史を少し知らなければなりませんね。
ハワイの歴史
今でこそアメリカ合衆国の一つの州としてあるハワイですが、実はアメリカの一部と正式になったのはほんの数十年前の1959年のことです。
ではその前はどうなっていたのか、少し紐解いていきましょう。
ハワイの祖はポリネシア人
「ハワイ人」とされる原住民の祖先は、ポリネシア人です。
ポリネシア人とは、元はハワイよりも南の方の島々(タヒチなど)に住む人々であり、彼らが何らかの理由により船で旅をし、行き着いた先がハワイの島々でした。
ハワイは太古の昔より陸続きであったことがないため、この時まではずっと無人島であったみたいです。
いつポリネシア人がやってきたかは諸説あり定かではありませんが、大体1500年ほど前だったともいわれています。
ハワイに定住したポリネシア人は独自の宗教観を持ち、外界から隔絶された世界であったことから、独自の文化を発展させていきます。
フラダンスや、サーフィンというスポーツを生んだのも彼らです。「ハワイ」と名付けたのも彼ら自身です。
そしてそんな文化形成の中で生まれたのが、ハワイ料理でもあります。
先に挙げた「ポイ」や「ラウラウ」なども、彼らポリネシア人が作ったハワイ語だから、聞きなれない料理名なのですね。
数多の国の影響を受けるハワイ王国
しかし、ハワイの歴史はそれだけでは語れません。
独自の文化を形成しながら生きてきたハワイ人のもとに、ついに外部からの手が入ります。
1778年にポリネシア人の次にハワイを「再発見」したキャプテンクックの上陸です。
イギリスの探検家であった彼らがハワイを発見したことにより(彼らは当初ハワイをサンドウィッチ諸島と名付けた)世界諸国がこのハワイを知ることとなり、幾度となく世界各国がこのハワイとの交流を求めることとなりました。
またその間に、ハワイ人内部でも、部族間、諸島間の、抗争や戦闘が起きた結果、カメハメハがハワイ統一を為し「ハワイ王国」を建国したのは今でも有名な話です。でも、今は料理とは関係ないので語りません(笑)
欧州の国々の介入と、さらに最も強く介入したのがアメリカです。当初ハワイ人たちはアメリカの介入を回避しようと、東洋諸国とも交流を深めました。しかし結局はアメリカを受け入れることとなるのですが…
ともあれこうして他国の影響を受けることとなったハワイには、それぞれの国の食文化も流入してきました。その食文化の中には「日本料理」も含まれます。
それらと、源流のハワイ料理とが融合した料理が、また新たなハワイ料理となっていきました。
軍事拠点としてのハワイ
紆余曲折を経ながらも、やがてアメリカの影響を受けるに至ったハワイは、アメリカの軍事拠点となっていきます。その過程で、多く移民していた日本人が排斥されたり、逆に第二次世界大戦では日本人がパールハーバーに攻撃したりと、良くも悪くも日本とハワイは昔から近代に至るまで関わりの深い土地となっています。
ともあれハワイ王国は、ハワイ共和国という形を挟み、ついに1959年、アメリカの50番目の州となったのです。
そして今に至る
戦争が終結し今に至るまでに、ハワイは観光地化が進みました。もともとかかわりの深かった日本も、今に至るまでにハワイとの親交を深め、現地では日本語表記の案内板が掲げられるにまでなっています。それほどまでに密接な関係を維持し続けるハワイですから、ハワイで流行った料理が日本に伝わってくるスピードもとても速いです。パンケーキなどもその一つですね。
ハワイは今でも様々な国の食文化を取り込み、発展し続けているといえます。
様々な国の食文化を取り入れて今のハワイ料理ができた
このように、今あるハワイの料理は、いくつかの段階を経て形成されたものだと分かります。
今あるハワイ料理の中でいくつか例に取り上げるのならば、
アメリカの料理と融合した「ロコモコ」
日本料理と融合した「スパムムスビ」「サイミン」
などがあります。
太平洋のど真ん中にポツンと孤立した諸島であるにもかかわらず、これだけたくさんの国の影響を受けたのは、やはりハワイが「楽園」と称されるほどに住み心地の良い土地だったからなのかもしれません。
ハワイ料理の原型はポリネシア料理
ただ忘れないでほしいのは、それだけたくさんの国の影響を受けたハワイ料理であったとしても、基本となる原型はやはり原住民であるハワイ人の祖、ポリネシア人の料理こそがハワイ料理のルーツであり、オリジナルであるということです。
皆さんは「アロハ」という言葉を聞いたことがありますか?
ありますよね?
きっと聞いたことがない人なんていないんじゃないかというくらい有名な言葉です。
「アロハ」とはハワイでされる挨拶ですが、日本語に直すことは難しい言葉です。
A→Akahai「思いやり」
L→Lokahi「調和」
O→Olu’olu「喜び」
H→Ha’a Ha’a「謙虚」
A→Ahonui「忍耐」
という5つのハワイ語の頭文字を並べた言葉が「アロハ」であり、この言葉はハワイアンスピリットを象徴する言葉だと言うことができます。
そして何よりもここで伝えたいのは、そんなハワイアンスピリットを詰め込んだ言葉が、ハワイの象徴的な言葉として今でも生き、世界に浸透しているのだということです。
様々な変遷を経て世界の国々と融合し、文化を形成してきたハワイですが、そのもととなる精神は今も変わらず生きています。
それは食文化も同じです。
異国の香りを漂わせながらも、やはりそれはハワイ料理なのだと、そう感じさせることができるのが今のハワイ料理なのだと私は思っています。
これがハワイ料理!
というわけでいろいろと言葉を並べましたが、ともかくハワイ料理は二つに分けることができるといえます。
- 昔からあるポリネシア文化をもととした伝統的ハワイ料理
- 他国の影響を受けて進化融合した進化したハワイ料理
ハワイ料理を語るうえで、これらは一緒くたに語ることは難しいです。
それぞれにはそれぞれの特徴があるので、これからご紹介する料理も、それぞれカテゴリーに分けて紹介していきたいと思います。
それらを読んで、それぞれの違いと、または共通する部分などを感じてもらえればと思います。
ポリネシアを祖とする伝統的ハワイ料理
・ポイ
イモの一種であるタロイモをふかし、つぶしてペースト状にした後、発酵させて酸味を付けたもの。ハワイでは主食として食べられている。日本の白飯感覚。しかし、食べたことがある方ならわかるだろうが、癖があり、外人には好みが分かれる。私は好き。
・ラウラウ
肉や魚をタロイモの葉っぱで包み、さらにティーの葉で包んで蒸し焼きにした食べ物。ティーの葉は食べませんが、タロイモの葉っぱは食べます。ちまきのような見た目で、味も近いかもしれません。タロイモの葉の独特な香りと食感が苦手でなければ、柔らかくお肉も蒸し上げられていてとても美味しい食べ物だと思います。
・ロミロミ
刻んだ生魚とみじん切りの玉ねぎとトマトを加えてマリネした料理。ロミロミとは「揉む」という意味で、ハワイアンマッサージ「ロミロミ」と同じ意味ですね。
最近では「ロミ・サーモン」として、サーモンと合わせるのが一般的になっているみたいですが、サーモンはアラスカからやってきた食材であるためこちらは進化系ハワイ料理に分類されそうです。
・カルアピック
いわゆる豚の丸焼きです。ご馳走として出される豪華な主菜ですね。本来の形は、地面を掘って作ったかまどに入れ、バナナやティーの葉で包んで蒸し焼きにしていましたが、今ではさすがにオーブンで焼かれることが多いようです。
かつては豚以外(犬や鶏)でも作っていたようです。
・ルアウ
ルアウとは、ハワイで開かれる宴会のことであるが、タロイモの若葉のことでもあります。ココナッツミルクと共にルアウをじっくりと煮込み、そこにチキンを入れたりイカを入れたりする煮込み料理です。
・ハウピア
ココナッツミルクをでんぷんで固めたプリンのようなお菓子。ココナッツ好きならこれはとても美味しく食べられると思いますよ。
他国の影響を受けて作られた進化系ハワイ料理
・ポキ(ポケ)
ぶつ切りにした生魚やタコなどの海産物を、海藻やネギなどと一緒に、醤油ベースの漬けダレで和えられた刺身料理。今では伝統的なハワイ料理と称されるほどに歴史を作って、今ではハワイのどこにいても食べられるこの料理ですが、醤油を使っていることから分かる通り、日本文化との融合でできあがったハワイ料理ですね。当然、私たち日本人の口にとても合います。
・ロコモコ
白飯にハンバーグと目玉焼き、そしてグレイビーソースがかかった丼のような食べ物。ハワイ料理として有名ですが、伝統的ではなく進化系の部類に入ります。
丼のような、と先に言いましたが、実は現地では白飯は丸く横に添えられていることが多く、一緒にマカロニサラダが添えられているのがポピュラーな形。
・ガーリックシュリンプ
殻付きのえびをニンニクと一緒にパリパリに炒めたもの。ハワイではノースショア、カフクの名物としていたるところでワゴン車で売られている光景が有名。
・フリフリチキン
鶏をひらいてくしに刺し、くるくると回転させながら焼いた焼き鳥。わかりやすく言えば「ロティサリーチキン」に近い。
フリフリとは「くるくる回す」の擬音語。
・サイミン
ラーメンのような食べ物。エビのダシを使い、中華麺を用いる。一見中国から来たのかと思えるが、なるとを加えたりスパムを加えたり、つまり日本のラーメンが原型とされています。ハワイに移り住んだ日系のハワイ人が考え出したといわれる。
・他にもたくさん
ハワイに行けば当たり前のようにどの店でも売られている「カルビ」や「テリヤキ」も韓国や日本から渡った文化の融合だとすぐにわかりますよね。
とにかくハワイでは、伝わった料理の面影は残しながらも、ハワイ独自に進化した「ハワイ料理」をたくさん見ることができます!
今もまだ進化を続けている
このように昔から進化を続けてきたハワイ料理ですが、実は今でもさらなる進化は続いています。
ハワイでは近年から現在に至るまで、ハワイ料理の新たなる試みとして「パシフィック・リム料理」というジャンルが確立され、それが新しいハワイ料理の流れとなっているのです。
これまでに挙げた、
- ポリネシア文化からくるハワイアンスピリットを受け継ぐ料理。
- 世界各国の食文化を取り入れた料理。
- そしてハワイで取れる地産地消できる食材。
これらのすべての要素を含み、全く新しいオリジナルテイストを加えたものがこの
の定義となります。
そう、ハワイ料理は、今までの歴史をすべて踏襲しつつ、全く新しい料理へまだ進化しようとしているのです。それは時代に流されることなく、歴史と伝統のあるハワイアンスピリットを今もまだ磨き上げているように私は感じます。
ただの観光地としてのハワイではなく、「ハワイ」という歴史のある文化の力強さを、皆さんも感じてみてはいかがでしょうか?
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