自炊をすれば節約できるんだけどねー
とは巷でよく聞くセリフです。
自炊を始めたい、もしくは自炊を始めようと思っている人たちには、きっと始める理由の中にこの「節約」という要素が含まれているんじゃないでしょうか。
自炊をすれば節約できる。
確かにこれは通説です。このブログでも冒頭にそうご紹介しています。
でもちょっと待ってください。
自炊って本当に、節約になるんですか?
自炊が節約になるという根拠を、みなさんは持っていますか?
節約したいからというのを理由にして、少し大変だけど自炊を始めて、でも実際にやってみたら何の節約にもならない。それどころか使うお金が増えちゃったよ、なんてことになったら目も当てられませんよね。
というわけで今回は、このブログの根底から問う、こちらがテーマです。
自炊は本当に節約になるのか?
そもそも何が「節約」できる?
節約、とひとことで言っても、いったい自炊で何を節約しようというのでしょうか。
自炊できる食材を買っておけば外にいって食事する必要がなくなる「労力」の節約なのか、
家で食事することで簡潔に食事を終わらせることができる「時間」の節約なのか、
外食するより割安と思われる食材で自炊することができる「お金」の節約なのか。
節約にはいろいろな可能性がありますよね。
でも実は、そのどの可能性にも確かな根拠はありません。
自炊には料理を作るという手間があります。外食しなければならないという手間と比べると、果たしてどちらの方が労力がかかるのか?
同じく料理をするために使う時間と、外食をするために外に出なければならない時間と、果たしてどちらの方が手っ取り早いのか?
自炊をするために買う食材と、外食に使う予算と、どちらが果たして高額なのか?
どれもこれも比較対象があいまいで、はっきりとしたことが言いづらいのです。
そして結論から言ってしまえば、すべてはあなたの努力次第、ということになります。
外食するよりも手間をかけずに料理が出来れば節約になるし、
料理を作るスピードが速ければ時間の節約になるでしょう。
そして安く食材を買えれば、お金の節約になります。
なんか当たり前なことを言っていますが、つまりはそういうことなのです。
このブログの根底にあるように、多少の節約には自炊は確実になります。でも、しっかりと節約したいとなれば話は別。
努力すればいろいろなことが節約できますが、努力を怠ればたいした節約にはならない。これが現実です。
そうはいっても節約したい
でもそれじゃあ納得しませんよね。自炊を始める理由がなくなってしまう。
特に納得いかないのはやっぱり「お金」ですかね?
多分、皆さんが想像している「節約」とは、ほぼ「お金」の節約でしょう。自炊をすれば経済的に節約になる。そう思っているはずです。
実は皆さんが「自炊はお金の節約になる」と考えることには、多少根拠があるのだと思います。
何となくですが、外食するときの商品価格には、材料費以外にもいろいろな費用が積み重なってできた価格になっていると知っている人は多いはずです。
それに対して自炊は材料費しかかからないのだから、自炊は節約できるはずだ、と。
しかしその考え方は安易だと言わざるを得ません。
飲食店にかかる材料費は、基本的には私たちが普通に買う価格よりも安いです。それは小売りからではなく、仲卸や卸業者と取引しているせいです(この辺は詳しくはここでは割愛します)。
そして私たちは、買い物で食材を集めるときに、最安値で集めるのは至難の業です。(これについては「買い物を上手にするコツ」で解説しています)
これを比較したときに、果たして自炊の方が安くなるかどうか…。
でも、安心してください。その微妙さを解決するために私はこのブログを書いているのですから。
こちらの記事で、このブログにおける基本的な、節約にもつながるコンセプトを紹介していますが、
今回はこれとは別に経済的に「節約」になることをいくつかご紹介しましょう。
安い食材を知る
食べ物には高価な食材と安価な食材があります。
キャビア、フォアグラ、トリュフ、といった世界三大珍味は、高価な食材としてあまりにも有名です。
こいつらを自炊で毎日出していたら節約になるはずもないですよね⁉
自炊するにあたって、節約として役に立つのがこれとは逆にある食べ物、すなわち安価な食材です。
もやし
なんて安価な食材の代表格ではないですか?
そもそも食材が安価になる理由はいくつかあります。
- 飼育や栽培が容易である
育てたり作ったりすることにお金や手間がかからなければ、それだけ価格にも転嫁されやすいのです。チキンが安いのは、産まれてから食べられる肉になる期間も短く、卵もよく産むからです。逆に手間暇をかければ高価になっていくということでもあります。
2,流通量が多い
これは必然ですが、飼育や作ることに手間暇がかからないのであれば、大量に生産することが可能になります。大量に出回れば市場価値が下がり、価格が安価になります。生産する側にとっては好ましくない場合もありますが、買う私たちにとってはうれしいことです。
3.消費量が多い
商品を大量に流通させることができても、それが消費されなければ、商品の価値が下がります。誰も買わないものは作っても、売っても無駄ですから、仕入れなかったり、生産しなくなったりします。そうすると、価格は上がってしまいます。でも、みんながよく買って消費すれば、生産者も「作れば売れる」と思って大量に作るようになるし、仕入れるスーパーも大量に売ろうとします。そうすることで価格も下がってゆくわけです。
4,旬の食材かどうか
これはとりわけ魚や野菜に当てはまることですが、食材には「大量に生産できる時期」と「少量しか生産できない時期」がある場合があります。これがいわゆる「旬」です。
アスパラやトマトなどの旬は夏ですから、夏になると安くなる傾向があります。冬でも流通はしていますが、それは「ハウス栽培」などでコストをかけて栽培しているので、必然的に高くなってしまいます。
魚では、海水の温度によって生息する場所が変わるので、日本にいなくなってしまった魚は高くなったり、場合によっては流通すらしません。
さんま、が良い例だと思います。
晩夏から秋にかけてのみ日本の近くを通過するので、その時期が旬です。春先でもサンマが売っていることがありますが、たいていの場合秋に冷凍したものを解凍して売っているだけなので、価格はともかくとして美味しくない場合が多いです(それでも、最近の冷凍技術は進歩していますが)。
5,輸入品の価格は「関税」次第
輸入品は、安いものもあれば高いものもあります。なぜなら、
輸入する際のコスト(輸送費と関税)がかかるから高くなる。
海外現地での生産コストがかからないから安くなる。
この相反する属性を輸入品は持っていて、その商品がどちらの属性が強いかによって価格が変わってくるためです。同じ商品、例えば牛肉で取っても、国が違うだけで価格も変わってくることもあります。私は専門ではないので詳しくは書けませんが、興味があれば他のところで調べてもらった方が良いと思います。
これらを根拠として、食材には高い商品と安い商品が存在するわけです。
では、具体的にどんな食品が安いのか、いくつか例を挙げてみますので参考にしてみてください。
もやし 安い野菜の代表格。実は栄養素も高い。
豆苗 切ったら伸びるので家庭で再利用もできる。
キャベツ 価格変動の激しい野菜でもあるが、特に冬のキャベツは葉が詰まっているので量が多く、コスパが良い。
ニラ 希少な栄養素も多い。そして独特なにおいがうまい。
さつまいも 秋の野菜だが、貯蔵が効くのでほぼ一年中買える。案外安く、腹持ちがいいのでコスパも良い。
鯖 魚介は基本高いが、その中でも安め。栄養も豊富なので、使わない手はない。
さめ もうかさめなど。聞きなれず手が伸びにくいが、食べると案外うまい。何よりも超安い。
鶏肉 肉で安いと言ったらこれ。おススメは外国産鶏もも肉。自炊程度ならブランド鶏を買う必要はない。
鶏豚の内臓 レバーやハツが売っていたら買うべき。栄養価が豊富なのにべらぼうに安い。
旬な食材はかなり安くなりますが、今回は旬を無視して基本的に安い食材をまとめてみました。
自炊するときは、安さだけではなく栄養素も考えると、お得感がさらに増しますね!
大きいサイズを買う
最近ではおひとり様用に、少量パックで買える商品が充実しています。一食で使いきれて超便利ー!
なのですが。
このブログではその買い方は全くおススメしていません。代わりにおススメしているのがその対極、大きいサイズを買うことです。
キャベツでも、半分と1玉があったら迷わず1玉!
お買い得ジャンボサイズ肉があったら迷わずジャンボ!
なぜって、その方が安いからですよ!
節約するなら安いものを買う、これ一択です。
余ったら無駄になるって思った方はこちらをお読みください。
基本的に、食材が余らない工夫をちりばめているので、問題なしです。仮にもし余ったら下ごしらえして冷凍!非常食になります。
また、野菜などはスープなどにすると余ることは無くなります。
特殊な食材はあまり使わない方が無難
思わず手の込んだ料理や見栄のある料理を作りたくなると、ちょっと特殊な食材を買ってしまいがちです。
アンチョビ、乾燥昆布、バージンオリーブオイル、粉チーズ、XO醤、などなど。
もちろん買うなとは言いません。自分の中で使い切る算段が付いているのなら買ってもよいでしょう。しかしこういった食材は割高であることが多く、また代替えとして使える物が存在しますので(オリーブオイルじゃなくてサラダ油を使えばよい)、よほどのことがない限りは買わない方が無難でしょう。
私が公開しているレシピでも、極力そういった食材は使わないように調整していて、使う場合は多用して使いきれるように工夫しています。
あると便利な食材があるのは確かですが、買うときに、本当に自分はこれを使い切れるのかを心の中で自問してから買うようにしましょう。
適時適温は料理の基本
ちょど良いタイミングで、ちょうどよい温度になる。
この適時適温は料理をするうえで欠かせない基本の考え方です。
例えば肉を焼くときは室温に戻してから焼く。
メレンゲを立てるときは冷凍庫に入れてから立てる。
とかです。詳しくはまた別の機会に解説いたしますが、節約の観点から言っても適時適温は有効なんです。
例えば冷たい肉と野菜をフライパンで炒めるのと、常温に戻しておいた肉と野菜を炒めるのと、どっちが素早く調理できると思いますか?
当然常温に戻しておいた方がすぐに火が通って出来上がりが早くなりますよね。
自炊を始めて水道光熱費が高くなったという悲鳴はたまに聞きます。こういったちょっとした気配りでも、自炊では節約することができるのです。
上手に節約しよう
いかがでしたか?
自炊は何も考えなくてもそこそこ節約することができます。しかし、しっかり節約したいとなれば、最初に言ったように結局はあなた次第です。それでも、要点をおさえて実行してもらえば、そこまで努力しなくても節約はできると思います。ぜひとも皆さんのお財布の役に立ててください。
また、今回はお金だけの節約を語りましたが、他にも節約できるものはたくさんあります。労力や時間はもちろん、塩分やカロリーとかもね?
それはまた別の記事で解説しようと思います。
長々とお疲れさまでした!
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